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こんなブログで大丈夫か?


by yosidagumi_nikuya
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全ての始まりのエピローグ


 カンタールの剣は灼熱の氷であると記されていた。まさにその熱き凍結はゼロッキーの眷属たるオルタナども打ち倒しイブリオン姫の待つ最上階へとたどり着いた。


「待っていたぞ」
 金色の毛に覆われしドラゴンがいう。
「イブリオン姫を返してもらうぞ!ゼロッキー」

「そうさせてもらおう!ただし貴様が私をたおしてからだ!」
 ゼロッキーの九本の蛇の形をしたしっぽの口からさまざまなブレスがはかれる。
「待っていたぞ、待っていたぞ!勇者よ!何度も私はおまえを待っていた!」

 カンタールはそのブレスをはじく。やがて剣は彼を追い詰め・・・。


「これが私の終焉か、うつろいしものよ・・・」
 ゼロッキーはヤングニトロを虚ろな目でみる。
「わ・・・私は・・・満足だったよ。虚無のような永遠の中でイブリオンにあえて・・・
彼女に会い、全てを知るが・・・いい・・・」


 そこには絶世の美女がいた。
「彼を・・・たおしてきたのですね」
 イブリオン姫はいった。
「これをみて、これが彼の残したもの。私たちへの祝福であり、彼らへの呪い」
 イブリオン姫は光る結晶を見せた。
「これは暗黒の未来たるオルタナを退け、浄火の帝国という希望を未来に残すためのもの
さあ剣を捨てなさい、もうそれは必要ない」

 ヤングニトロは剣を捨てた。

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 しかしランダはカンタールを拾った。

「やっとこの時間につけたわね、カンタール」

「我々は我々の脅威を取り除かねばならぬ、すまぬなヤングニトロ。我々は利用させてもらった。
移ろいし世界(オルタナ)のために」

 ランダはイブリオン姫にカンタールを向けて・・・。



 カンタールが刺していたのは別の人間だった。
「ゼ・・・ゼロッキー。そこまでの覚悟か?」

「おまえに・・・おまえ達に私の・・・私とイブリオンのアーティファクトを壊させるわけには・・・
いかない!」

 ゼロッキーはカンタールを折った。

「私たちに・・・呪いを受け入れろというの!あの寒村のニンゲンどものように!滅びを待つだけの!
私たちは不死のオルタナよ!時代を支配しているのよ!」

「すまない・・・ダーヌよ、イブリオン姫と話していくうちにこれが最善だと・・・分かった」

「そう・・・、私たちはこの歴史でも失敗してしまったのね、後はあがくしかないのね」

「す・・・ま・・・な・・・」

 ゼロッキーは倒れた。


 その後のことは伝えられてはいない、ヤングニトロはイブリオン姫を城に返した後姿を消し、それと共に旅をした少女も行方不明。

 イブリオンの祝福と名付けられたアーティファクトのみが時を越えて残る。
by yosidagumi_nikuya | 2010-02-16 20:39 | -オルタナ-