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こんなブログで大丈夫か?


by yosidagumi_nikuya
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ミーティング1『ニキータ・テーリッツ』

ひとりの男がドーナツを焼いている。彼の休日はほとんどがドーナツ作りに費やされる。
『ドーナツまだか』
金髪の少年が待ちきれないといった感じで聞く。
『お前は本当にドーナツが好きだな』
『ヒレーの唯一作れるまともな料理だからな』
『それはどういう意味だ』
『特に深い意味はないよ』

マキータと暮らすようになって数年が経つ。マキータはアームヘッドの操縦に天才的な素質を持っていた。首都の沿岸での直接対峙のことから今までのことを思い出しもうすぐ自分も越されそうだとヒレーは考えていた。
ドーナツが完成しそうになった頃チャイムが鳴った。
『一体誰だ、特に誰か来る予定はなかったよな』
マキータに問う様にいう。
『知るかよ』

入ってきた人物を見たとき、目を疑った。
『マキータ・・・』
入ってきた人物そのブロンドはマキータそっくりであった。
『ニキータ、生きていたのか』
マキータがいう。
『面を喰らってしまったよ、まさか君が生きているとはね。いや君も死ぬようなタマじゃないよね』
ニキータはメガネを手で元に戻す、よく見ると眼の色も違う。
『本当にそっくりだな、驚いた』
ニキータの後ろの年配の男がいう。
『感動の再会は素晴らしいが、目的を覚えているよなニキータ』
もう一人は性別がどちらとも取れる。この暑いのに手袋をして長い袖の服をきている。
『分かっているよ、白樺さん。すいません紹介が遅れました。私はニキータ・テーリッツ。マキータくんの兄です』
ニキータが自己紹介する。
『こちらがマサダ・モノクロームさん』
年輩の方が頷く。
『そして、ムスタング・ディオ・白樺さん』
重装備の人物も頷く。
『暑くないの』
マキータが余分なことを聞く。
『肌が弱いのでね、露出はあまりしたくないんだ』
白樺が答える。
『ところで何をしに来られたのですか』
マキータがこれ以上失礼を重ねてもらっても困る。しかし、白樺の方に質問をしたりしたが実の兄の方に興味がないのだろうか、マキータはわざと興味がないようなふりをしている。
『新時代のエリート育成の計画をご存知ですか』
『マキータの方に用があるのですか』
『いえ、ヒレー・ダッカーさん、あなたにです』
胡散臭いとしか思えない。
『胡散臭いな、なぜロートルに用があるんだ』
『何をおっしゃる、リズの英雄といえばあなたですよ。帝国に最終的な勝利をおさめるため、是非あなたの力が必要なのです』
『あとにしてくれ、詳しい話を聞かせてもらってから考えさせてもらう』
『ありがとうございます、では失礼させていただきます』
ニキータは振り向いて言った。
『マキータくん、また今度ゆっくり話しでもしよう』
by yosidagumi_nikuya | 2011-05-22 21:57 | ミスタードルーピー