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by yosidagumi_nikuya
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プロローグ”アイサの神託”

俺は主人公などでなくて良かった。

天元十五年、頁帝国東プラント地方。新光皇歴で言うならば1510年。
男はいた。
名前など必要ない誰でも良かった。男は世界の物語のその他大勢だった。

幸せは目先のことぐらいであった。野望などない。自分のつまらない物語の主人公であることに満足していた。
男は頁の小さい農地を持つ地主で食うにも困らず頁に逆らおうともしていなかった。小作人達とともに畑を耕していれば良かった。

未来は予想がつかないがこの幸せが連続していることを祈っていた。

その儚い願いは神に受け入れられない。

ヴァイス・マキータ・プラントは聞いてしまった。
あいつの声を。


あいつの声はある日突然ヴァイスの耳に入った。
彼は選ばれたのか、理由などなかった。

あいつは言った。



まもなく世界は滅ぶ。それは今から500年の未来であると。
それを防ぐための力を与えると。

いつのまにか1つの巨大な影が現れた。

これが力だとあいつは言う。

ヴァイスはおそれのあまり、石を投げた。

しかし巨大な影はそれをはじいた。


あいつはさらにいう。

おそれることはないこれが力だ。おまえのちからだ。

そして今はこのような小さな石しか退けないが、これがいっぱいいっぱい集まったら。

大きな大きな隕石すらはじき飛ばすことができるだろう。

おまえにはやるべきことがある。

あいつはそれ以上語らなかった。



しかしもう見えていた、もう見えていた。
自分のこの後500年にわたるであろう不幸が、別れがのろいが自分を世界の主人公にしてしまう呪われた操り糸が。
by yosidagumi_nikuya | 2008-09-14 18:47 | ザ・パニッシュメント